戦後初となる国産戦闘機の開発に防衛省が本格的に乗り出す。三菱重工業に研究開発
を委託している試験機は、計画通りにいけば来年1月中旬に初飛行する。防衛省は2
015年度から性能試験を実施し、実用化の可否を18年度までに判断する方針だ。
同省幹部は「国産戦闘機は長年の悲願。何としても実現したい」と熱意を示す。

 

試験機は全長約14メートル、幅約9メートル、高さ約4メートル。炭素繊維ででき
た電波吸収素材を機体に用い、レーダーに映りにくいステルス性能を備え、心臓部に
当たるエンジンはIHIが開発したもの。金のかかる兵器開発は数か国での共同開発
が主流となってきているものの、それでも単独での開発にこだわるのは、自国での技
術の蓄積を重視したためだろう。我が国の防衛産業は縮小傾向にあり、このままでは
ラインを維持することさえ難しくなってくる。他国に兵器開発を依存するのは、危険
との判断は間違っていないのではないか。