安倍政権との全面対決を急ぐか、じっくりと地ならしを進めるか。米軍普天間飛行場
の移設問題をめぐり、沖縄県翁長雄志知事が難しいかじ取りを迫られている。同県
名護市辺野古への「移設阻止」を公約に就任してから2カ月、すぐに成果が出る兆し
はなく、支持者らへの目配りに腐心する日々だ。「偏った見方をされないだろうか」。
翁長氏は今月上旬、「知事も辺野古に行った方が良いのでは」と県選出国会議員に促
されると、こう渋った。12月10日の就任後、辺野古にはまだ足を運んでいない。

 

普天間基地辺野古への移設反対を掲げて、オール沖縄と称して知事選を戦った翁長
氏。公約通りに動くのなら安倍政権との全面対決とならなければならないが、ここで
安易に動くとかえって沖縄のためにならない、そう判断したのだろう。辺野古周辺で
反対活動を繰り広げる活動家にとっては、翁長氏が辺野古に来れば神輿として担ぎ上
げて、二度と下ろさないだろう。そう言う意味では、翁長氏が辺野古に行かないこと
は正しい。しかしながら、反対を訴えておきながら現場を見ないのでは、それはそれ
で筋が通らないのも事実である。