沖縄防衛局は24日、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設を巡り、翁長雄志
事が現場海域でのすべての作業を停止するよう指示したことを不服として、行政不服
審査法に基づき林芳正農相に審査請求した。農林水産省が裁決するまでの間、知事の
指示の効力停止を求める執行停止申立書もあわせて提出した。翁長氏は23日、水産
資源保護法に基づく県漁業調整規則を根拠に、防衛局が許可なく岩礁破砕をしている
可能性が高いとして1週間以内の作業停止を指示した。

 

普天間への移設反対を掲げて知事選を戦った以上、翁長氏がいずれ作業停止を指示し
てくることは明白だったが、こうなると法廷闘争は避けられない。中谷元防衛相は
「手続きに従って事業を進めている。何の瑕疵もない」と反発しており、政府との溝
はますます深くなっていく。そもそも、法令違反などの明らかな問題がない限り、一
方的な取り消しなど出来ないはずだが、それだけ翁長氏への突き上げが厳しいのだろ
う。負け戦に打って出る翁長氏には悲壮感さえ漂ってくる。