与野党激突が予定された岩手県知事選で、元復興相の平野達男参院議員が出馬断念を
表明した。安全保障関連法案をめぐり逆風がやまない自民党が対決を回避した格好。
与党は来年夏の参院選に向けて態勢を立て直す考えだが、「敵前逃亡」とも受け取ら
れかねない対応に、野党側は勢いづいている。

 

平野氏の出馬見送りについて、自民党の谷垣幹事長は「本人の意思を尊重しなければ
いけない。大変残念だ」と語っているが、実態としては支援を打ち出していた自公が
平野氏に出馬を見送らせたのだろう。平野氏が出馬するには、参院議員を辞職せねば
ならず、知事選でも敗北し、参院補選でも敗北する二重のリスクを回避したかったの
ではないか。安保法案をめぐって安倍政権の支持率は下落傾向にあり、この状況では
小沢王国を突き崩せない。現実的な判断をしたと言うことだろう。