安倍晋三首相は7日、首相官邸沖縄県翁長雄志知事と会談した。翁長氏は、平成
28年度の沖縄振興予算について3千億円台を確保するよう要望。首相も「最大限努
力する」と応じた。米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設問題についても意見交
換し、政府が10日から1カ月間工事を中断する間に、集中的に協議を重ねることで
一致した。「今日までは角をつきあわせていたが、今後は議論を深めていただきたい」
会談で首相がこう述べると翁長氏も「対話を続ける中から考えていきたい」と応じた。

 

安倍政権としては辺野古の工事を中断し、その間に翁長氏との対話で落としどころを
探りたいところだろう。一方の翁長氏も移設反対派の突き上げに抗しきれず、埋め立
ての承認取り消しに動こうとした中、安倍政権の工事中断に救われたのではないか。
振興予算が削られるような事態になれば、沖縄県の経済界からもそっぽを向かれるだ
ろうし、翁長氏もそれを望むところではないだろう。そろそろ、まともな議論をする
時ではなかろうか。