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安倍晋三首相は、中国が9月3日に北京で行う「抗日戦争勝利70周年」の記念行事
の前後に検討していた中国訪問を見送る意向を固めた。政権幹部が明らかにした。政
権が今国会での成立を期す安全保障関連法案の参院審議が山場を迎えることなどを考
慮し、判断したものと見られる。ただ、中国との関係強化は重視しており、今後の国
際会議などの場を利用するなどして、引き続き首脳会談の開催を模索していく考えだ。
中国は安倍首相を、軍事パレードなど記念行事に招待していたわけだが、さすがに記
念行事への出席は国内の反発が予想されるため断っていた。そもそも中国共産党が抗
日戦争勝利などと謳っているあたり、おかしな話なのだが、中国は経済成長にブレー
キがかかる中で、あまり反日を前面に押し出しても自分の首を絞めるだけであろう。
安倍首相も中国とは距離を置きつつも付き合っていなければならない国であることは
十分に承知していることだろう。付かず離れずが一番である。
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韓国と北朝鮮の高官が22日夕から南北の軍事境界線上にある板門店で会談を続ける中、
韓国国防省当局者は23日、北朝鮮の潜水艦約70隻の約7割が基地を出たことを明ら
かにした。こうした事態は極めて異例という。軍事境界線に近い砲兵戦力も南北高官会
談の前日に比べ、2倍以上増加。命令が出れば、いつでも発射できる態勢を整えている
という。国防に詳しい専門家は「南北高官会談を有利に進めるための戦略的な圧迫と見
ることができる」と説明した。
韓国軍によると、基地から出た北朝鮮の潜水艦は普段の10倍以上に達し、韓国軍もそ
の位置を把握できていない「深刻な状況」のようだ。むろん、潜水艦と言っても北朝鮮
の潜水艦は数だけを揃えた旧式で、いざ戦闘となれば大して活躍は出来ないだろうが、
それでも韓国に与える心理的な影響は大きいだろう。かつて北朝鮮が仕掛けた砲撃戦で
は、韓国側は有効な反撃がすぐに出来ず、最前線の韓国軍がまともに反撃出来なかった
ように、かなり弛緩しているように見える。同じような状況になった際、韓国軍がどれ
だけ動けるだろうか。
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地域政党「大阪維新の会」が19日、政治団体「関西維新の会」の設立を大阪府選挙
管理委員会を通じて総務省に届け出た。活動範囲は近畿2府4県で、本部は大阪市中
央区。維新の党の大勢力である近畿の地方議員をまとめ、大阪を地盤とする集団の党
内での発言力を強める狙いがある。代表者は大阪維新の事務局幹部を「仮置き」して
おり、トップの人選は今後行う。近畿に維新の党総支部所属の地方議員は203人お
り、参加を呼びかけていく方針だ。
いよいよ維新の党が分裂することになりそうだ。橋下氏が関西維新の会を立ち上げた
ことで、大阪系の国会議員はこぞって参加するのではないか。ここにきて維新の党の
執行部に揺さぶりをかけるあたり、橋下氏の決意は揺るがないだろう。いずれ国政に
進出すると思われる橋下氏にとって、基盤となる国政政党がある意味は大きい。だが、
維新の党も指をくわえて見ているだけではなかろう。中間派への引き留め工作を始め
ることであろうし、大阪系の引き抜きも当然考えているだろう。血で血を洗うような
内紛が始まりつつある。
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空から見ると、豊かな水をたたえた棚田のように見えるのは、今年3月に発電を開始し
た福島県須賀川市の「サニーソーラー福島中央発電所」の太陽光パネル群。ゴルフ人口
の減少や、東京電力福島第一原発の事故が追い打ちとなって閉鎖したゴルフ場を再活用
した発電施設。日照時間を長く確保できる山の上の好立地にあり、およそ10万5千枚
のパネルで一般家庭なら1日当たり約8千世帯分の発電量が見込めるという。
ゴルフ場跡地の利用は、1カ所の面積は約100ヘクタールあるとされ、事業者にとっ
てはまとまった土地を確保でき、新たな造成や開発が少なくてすむ利点があるようだ。
使わない土地なら有効に活用すべきだろうが、ソーラーパネルが埋め尽くした光景には
違和感を憶えてしまう。これだけの枚数を使っても8千世帯分しか確保できないのなら、
まだまだ発電の手段としては、力不足ではなかろうか。
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維新の党の柿沢未途幹事長が、山形市長選で民主、共産などが推す立候補予定者を応
援したことについて、松井一郎顧問は20日午前、「けじめもつけずにわがままやり
放題。幹事長としてどうなのか。僕はついて行けない」と批判し、幹事長の辞任を求
めた。大阪府庁で記者団の質問に答えた。松井氏は柿沢氏と直接連絡を取り、応援の
見送りを求めていたと発言。柿沢氏から「覚悟を持っていく。行く限りは責任も取る」
と告げられ、「辞めるのか」と聞くと、「それもそうだ」との回答があったという。
維新の党の亀裂がついに深刻化してきたようだ。もはや取り返しがつかない状態にな
っているように見える。松野代表を始め、執行部は野党再編志向が強く、母体である
大阪維新の会とはますます距離が離れてしまっている。維新の党がこのまま「一つ」
であり続けるには、どちらかがその距離を詰めていくしかなかったが、それさえ誰も
しようとはしなかった。このような些細なことで、政党と言うものが壊れてしまって
良いのだろうか。そちらの方が疑問である。
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週刊誌「週刊文春」で未公開株の購入をめぐりトラブルになっていると報じられた
自民党の武藤貴也衆院議員は19日、同党に離党届を出し、受理された。武藤氏は
安全保障関連法案に反対する団体への発言で批判されたばかり。自民党は公明党に
約束した「事実関係の調査」は果たさぬまま、法案への悪影響を避けようと早期幕
引きを図った。週刊文春によると、武藤氏は昨年、ソフトウェア会社の未公開株に
ついて「国会議員枠で買える」と持ち掛け、23人から計約4100万円を集めた
が、実際には株は購入されず、6人分の約700万円分が返済されていないという。
武藤氏は離党後、週刊誌で被害者と報じられた人物について「(未公開株問題とは
別に)東京地裁に詐欺などを理由として提訴していた」とのコメントを報道各社に
出し、報道内容に反論している。しかし、国会議員として説明責任を果たしている
とは言い難い。自民党もきちんとした調査をせず、さっさと党から追い出してしま
うあたり、極めて無責任としか言いようがない。一強他弱の状況に甘んじて、いい
加減な国会運営をしていては、いずれしっぺ返しを食らうことになる。安倍政権の
綻びが目に見えて分かるようになってきたようだ。
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プロ野球ソフトバンクは18日、松坂大輔投手が関東地方の病院で右肩の手術を行い、
成功したと発表した。松坂が受けたのは内視鏡による右肩関節唇および腱板のクリー
ニング手術などで、実戦登板まで6カ月。大リーグから9季ぶりに日本球界に復帰し
た今季は、1軍での登板なしで終わる見込みとなった。工藤監督は「本人は肩がうま
く動かず、悩んだと言っていた。早く決断したほうが切り替えられるし、来年に不安
がなくなる」と話した。退院やリハビリの予定については未定。
松坂投手は開幕直前にインフルエンザに感染した後、右肩の筋疲労を訴え、ブルペン
投球のメドすら立たず、実戦登板も白紙の状態に陥っていた。ソフトバンクは松坂投
手と3年総額12億円(推定)の契約を結んでいるわけだが、今のままでは単なる給
料泥棒と言われても仕方のない状態である。こうなると、来季よっぽど活躍しないこ
とのはファンの信頼を取り戻すことは出来ないであろうし、そもそも現役を続けるこ
とさえ難しくなってくる。かつて怪物と呼ばれた男が、再びマウンドに立つ日は来る
のであろうか。